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No.3 鍵を握る3つのオープンイノベーション

鍵を握る3つのオープンイノベーション
~労働組合の強みを活かしたセンスある働き方改革のススメ~

働き方改革が社会的テーマとなっている今、労働組合が社会的に存在価値を示す岐路に立っています。
働き方改革実現会議がオープンな議論を通じて決定されました。
各企業内労使で実現に向けた議論と行動が展開されています。
この一連の流れを評価する声がある一方で、金銭的解雇自由化・ホワイトカラーエグゼンプション本格導入など、不安・批判の声もあります。

当事者である労働組合は、働き方改革を未来志向で見極め、自らの強みを活かしセンスあるオープンな議論を展開し、社会的ニーズに応える機会を得ています。

「オープンイノベーション」とは、立場の違う人たちがお互いを尊重しながら本音を語り合い、新たな価値を生み出すための議論スタイルを意味します。
今回の「働き方改革実現会議」も、誰もが首相官邸ホームページから議事録を確認することができ、オープンだといえますが、実際には各参加識者が胸襟を開いてオープンな議論をしたとは言いがたい時間配分であり、内容になっています。

今回の働き方改革に限って言えば、「9つのテーマと19の対策」を既に決まった枠組みとして「演繹的」に具体策を議論するのではなく、「帰納的」に現場目線で捉えなおし、実行性のある主張を提案することがポイントです。職場に起こっている事実とその背後に着目し、真の働き手のニーズに着目した議論を進めることで、さらに「労働組合の強み」は発揮されます。

短期的な指標化しやすい活動だけを重視せず、長期的視野で重要なテーマを議論する、両面思考することが「センスある」活動です。
制度づくりに没頭せず、現場が納得する制度の運用促進を通じて、働き手が納得する主体的な「現場ルール」づくりを実現することが、働き方改革の目的です。

それでは、労働組合の強みを活かしたセンスある働き方改革の鍵を握る活動のコンセプトを3つの視点でご提案します。

 

組織内部門別オープンイノベーション

【なにを】
有志組合員による良い働き方の研究と実践を促進するプロフェッショナルクラブを結成する。

【なぜ】
企業内の部門横断的な横串活動による知恵の共有と新たなアイデアの創出という組合員ニーズがある。

【どのように】
青年部を有している労働組合は、組織のコンセプトを再構築しクラブ化。
そのほか、組合員意識調査の結果などを活用して組合員から候補者を募る。

 

産業間・業界別オープンイノベーション

【なにを】
地方連合が産業の枠組みを超えた交流を促し、産業間の連携やイノベーションを促進する。

【なぜ】
一般的な短期的利益を目的とした異業種交流会と違い、参加者同士の本質的な議論から新たな発想が生まれやすい。
既に有している人的プラットホームを活用することで価値を生み出せる。

【どのように】
異業種の組織間交流(メーカー労組×サービス業労組/自治体労組×金融サービス労組など)、職種限定しての交流(研究職/開発職/製造職/営業職/間接職など)、WLBにおける共通テーマでの交流(子育て/育児/介護/セカンドキャリアなど)。

 

労働界仕事別オープンイノベーション

【なにを】
労働組合の活動の一環としてNPO活動と協働する。。
NPOの活動分野では「社会教育」「まちづくり」「男女共同参画」「子どもの健全育成」「経済活動の活性化」などの5分野が労働組合の強みを活かせる。

【なぜ】
NPOと労働組合は働く仲間でつながっている。
労働組合が社会的意義をもったNPOと連携することで、資源交換により相互の価値創造が実現できる。
労働組合はNPOに対して、人的資源組織マネジメント上のノウハウを提供する。
一方でNPOから労働組合は働く目的や真の働きがいについて気づきを得る。。

【どのように】
各地方のNPO・ボランティア団体の組織ニーズを把握することから始める。
NPOには「人材不足」「予算不足」「成果の定義」「組織マネジメント」などの課題があると想定する。
労働組合は、従来型の政治活動、特定の組合員によるボランティアや寄付といった限定された活動から、組合員にとって、より身近な活動が展開できる。

 

働き方改革時代、労働組合が社会関係資本として世の中から価値ある存在として期待され続けるには、人と組織の「関係性マネジメント」の分野に着目し行動を起こすことが大切なのではないでしょうか。
これからの活動づくりの指針になれば幸いです。

(2019/10/9)