コラム「理・夢・久・遊」

NO33. 忙しい木こりに必要なこと

「今日の晩ごはん、何つくろうかな」
「明日納品の仕事が間に合わないよ」
「あっ、メールの返信し忘れた」
「もうそろそろ、地方にいる両親の世話のこと考えなきゃな」
「娘の私立中学受験、今の学力では合格できそうもないよ」
「終身雇用も崩壊しそうな会社で、私の住宅ローンは完済できるかな」
「ジョブ型。もう、給料上がらないよな」・・・

私たちは、毎日毎日大量に降り注ぐタスクのシャワーを必死にこなし続けている。
ネガティブな不安に苛まれながら、来る日も来る日もPCのキーボードを無表情でたたき続ける。

ワールドニュースは、地球に表面化してきた「不都合な真実と事実」を伝えている。
SDGs(持続可能な社会の実現)、
AIの台頭、
海洋プラスチック問題、
格差拡大、
いびつな資本主義の限界・・・。

「それも必要なんだろうけど、僕は、目の前タスククリアに必死なんだ。」という無言の無数の声が巷から聞こえてくる。

でも、世界はつながってしまった。
未来も加速し始めた。
未来を無視していたら、必ず来る。既に「不都合な真実と事実」は自分の背中に来ているかもしれない。

あなたの大量のタスク業務は、24時間働き続けるAIが瞬時に片づけてくれるだろう。
今日の晩ごはんの魚の内臓にマイクロプラスチックが充満していたらどうだろうか。
過剰な株主資本主義での株主還元策が自らの給料の伸び率を阻んでいるとしたら。
投機家の存在が、事業労働者との格差を永遠に拡大している主犯だとしたら。

イソップ童話だったと思うが、木を切ることに忙しい木こりに必要なのは、更に頑張って木を切ることではなく、斧の刃を研ぐことだそうである。
ボロボロの刃でどんなに目の前のタスクに尽力しても成果はあまり期待できないからである。

「持続可能な社会づくり(SDGs)」を目指すこと、このことがタスクシャワーを回避するヒントになるかもしれない。
資本家と労働者の対立では、労働者は搾取されることに嘆き悲しんだが、これから投機家が用意するAIと労働者が対立したら、労働者の仕事(存在価値)自体が消滅してしまう。
暗黒の搾取の時代さえ懐かしく思えてくるほどの危機が忍び寄ってきている可能性があるのだ。

時代の転換点では、目先のタスクより未来の世界の方向性を洞察すること方が大切だ。
勇気をもって自らの斧の刃を研いでみる時期なのかもしれない。