コラム「理・夢・久・遊」

NO.30 アントレプレナー

出版社に勤務する友人から自ら編集した書籍をいただいた。

タイトルは、

『14歳で"おっちゃん"と出会ってから、15年考えつづけてやっと見つけた「働く意味」』。


著者は、認定NPO法人「Homedoor(ホームドア)」を19歳で立ち上げた川口加奈※さん。
「ホームレス」と「放置自転車」という2つの社会課題を

シェアサイクルHUBchari(ハブチャリ)事業で解決しているアントレプレナーである。

 


14歳の女子中学生が通学電車の車窓から見えるホームレスの炊き出し風景に興味を持つ。
そこから、家族に内緒で、恐る恐る炊き出しに参加し、ホームレスたちと交流していく。
その交流から、ホームレスを取り巻く偏見や襲撃事件という現実に直面する。
・ホームレスは、自己責任ではない。
・生活のために駅前で雑誌を路上販売することに苦手な意識を持っているホームレスもたくさんいる。
・彼らの得意領域は駅前で対面販売をすることではなく、自転車修理などの機械をいじることだったりする。

彼女の心の中のさまざまな「やむにやまれぬ思い」がふつふつと育まれていく。
そして、彼女は立ち上がる。

経験も信用も実績もない彼女は、何をするにも壁にぶち当たる。
でも彼女は、絶対にめげない。
諦めない。
必ず、立ち上がる。
原因を分析して二の矢・三の矢を放って仲間と乗り越えていく。
社会起業家を突き動かしたのは「やむにやまれぬ思い」。

大阪市にあった「ホームレス」と「放置自転車」問題という社会課題を解決している「HUBchari」。既に大阪市を中心に250カ所にポートが設置されている。

大阪を歩く時は、少し「HUBchari」にも眼差しを送ってみてほしい。
その向こうに、「ホームレスの笑顔」と「働くことの本当の意味」が垣間見られるかもしれない。

※川口加奈さん
・『日経WOMAN』の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019」
・『フォーブス誌』の日本を変える30歳未満の30人「30 UNDER 30 JAPAN」などを受賞。