お役立ち

No.17 お金に振り回されない世界へ

国際通貨基金(IMF)は10月、「コロナの影響で2020年の世界全体の政府債務が、世界の国内総生産(GDP約90兆ドル)にほぼ匹敵する規模になる」と予測した。
コロナ後に、この膨らんだ債務を正常な水準に戻していくことが各国(人類)に問われるだろう。
各国の中央銀行は、今尚、天文学的な紙幣を発行(政府にとっては債務)して、この危機に対処している。

内閣府が発表した、日本の2020年4-6月期GDPが前期比年率-27.8%である。
こんな状態でも株価(日経平均)は下がらない。
日本経済も相当歪な構造で経済を支えているのがわかる。

その溢れるマネーは、一部の投資家と投機家に偏在し、投資会社の投資行動を通じて事業会社(経営者と労働者)から更に収奪されていく。
フランスの経済学者、トマ・ピケティが『21世紀の資本』で証明した世界である。

政府債務と対に膨張するマネー(法定通貨)の地平に何が見えるのか。
法定通貨でさえ、共同幻想の賜物である。
この信用と信任がいつまで続くかは、誰もわからない。

こんなにもテクノロジーが発達した社会で、私たちは未だにお金で不安になり、お金のために働いている。

しかも、労働者が人生の時間をかけてつくりあげた富が、過剰に投資家に配分されいく。

「正直者がバカを見る社会システム」下に暮らしているのだ。

みんなの資本主義は、株主資本主義という怪物と化してして自浄作用がなかなか働かない。
2021年1月のダボス会議のテーマは、株主資本主義からの「グレート・リセット」。
資本主義社会の主人公が、労働者・顧客・地域社会などのステークホルダーへ移行できることを切に願う。
このままの格差社会では、夢も希望も失った労働者が、ただ生活のために働き続けなければいけないデストピア社会だからだ。
ベーシックインカムの実現もまだまだ緒に就いたばかりである。

お金(法定通貨)に振り回されない社会をつくれないか。

そんな社会実験が始まっている。

共感コミュニティ社会づくりのため通貨「eumo(ユーモ)」(代表 新井 和宏氏 元鎌倉投信共同経営者)、ARIGATO CREATION(感謝創造)で回る経済圏を創造する「PEACE COIN」(代表 阿部 喨一氏)などお金(法定通貨)に振りまわされない共感通貨やありがとう通貨(デジタル通貨※1)である。
詳細は、Webサイトなどを参照されるとよいが、少し特徴を説明すると、以下の特徴がある。

・所有や貯蔵が目的ではない。
・循環(流通)が目的なので、使わないと減価(自由貨幣・減価するマネー※2)していく。
・「PEACE COIN」は感謝すればするほどコインが増えていく。
家事や育児や会社内のお金に交換できないアンペイドワークを見える化できる。
・等価交換ではない。根本に贈与の思想がある。
・法定通貨を介さず(お金を使わず)にたくさんの価値を交換し合うデジタルツールである。

・・・いきなり、こんなこと書かれても、意味不明であろう。
ご興味のある方は、スマートフォンで無料ダウンロードができるので体験してみるとよい。

働くことがお金のためだけに終わらない働き方、なんとイノベーティブな社会実験ではないか。

手前味噌になってしまうが、12月16日(水)に弊社主催の「第0回 j.union forum(オンライン 無料)」で、新井和宏氏をお招きして「共感資本社会をつくる」というテーマでご登壇できることになった。

「お金に振りまわれない社会」にご興味のある方は是非ともご参加してほしい。

私たちが本当に行きたい次の社会を、みんなでブレークスルーしたいからだ。

 

※1このデジタル通貨はブロックチェーン技術などを採用していますが、投資性の強い仮想通貨とは全く異なる思想でデザインされています。

※2自由貨幣・減価するマネー・・・ドイツ人の実業家・経済学者シルビオ・ゲゼルが提唱。J・M・ケインズは、『雇用・利子および貨幣の一般理論』の中で、ゲゼルの思想について「将来の人々は、マルクスの精神よりはゲゼルの精神にいっそう多くのものを学ぶであろうと私は信ずる」と述べています。

 

(2020/11/2)