お役立ち

No.16 だめだこりゃ、次行ってみよう

「8時だョ!全員集合」をご存じだろうか。
1970~80年代の土曜日夜8時、日本の小学生特に悪ガキ(私も含む)どもをロックンロールさせた超お笑い人気番組である。
主演は、ザ・ドリフターズ。
志村けん(以下、敬称略)は、その中心メンバー。

たくさんの名セリフを残している。
一部放送禁止用語や差別用語にも該当するが、当時の悪ガキどもを暴力的なまでに魅了した。
いかりや長介は、「オィッスー」。
荒井注なら、「なんだバカヤロー」「This is a pen」。
仲本工事は「はい、ポーズ」。
加藤茶の「加トちゃんペッ!」「ちょっとだけよ〜」「あんたも好きねぇ〜」「どうもスンずれいしますた」「風呂入れよ~」。
志村けんの「お前、それはないだろ~」「♪カラス~なぜ泣くの~、カラスの勝手でしょ♪」「おこっちゃヤーヨ」「アイーン」「♪ア〜ミ〜マ〜、ユ〜ヤ〜ユ〜、ヒズヒムヒ~、シ〜ホ~ヒ~」。
自分のプライドを全部捨てて、日本を笑いの渦に巻き込んでくれた超エンターテナー。バカになり切れる本物の天才たちであった。

毎週、どこかの市民会館での公開生放送である。
会場には待ち焦がれた悪ガキ1,000名が待ち受けている。
常に笑いの真剣勝負。
どんなに周到な準備をしても、当日はハプニングの連続だったであろう。
毎回冷や汗たらたら、必死のアドリブで乗り越えていった。
修羅場の経験が、彼らを日本最高峰のお笑い集団に育て上げくれた。
チョー(いかりや長介)さんの定番「だめだこりゃ、次いってみよう」は、コントの成否だけではなかったのかもしれない。
ドリフのトライアル&エラーな生き方そのものに思えてならない。

正解のない時代には、失敗して経験値を積み重ねるしか最適解にはたどりつけない。
どんなにインプットをしても、実際にやってみないと経験値は身につかない。
水泳教本と水泳ビデオをどれだけ勉強しても、泳げるようにはならないのと同じである。
むしろ自分を守って経験値を積まないことが、実際の現場での溺れるリスクをますます高めている。

イノベーター企業、ホンダの「失敗表彰制度(今はありません)」やサントリ-「やってみなはれ、やらしてみなはれ」はイノベーションの本質を見事についている。

未経験者なんだから不安だし、やってみたら失敗することの方が多いだろう。
だから、応援する経験者や仲間がいるとよい。
未知への挑戦心も安心や勇気に変わるかもしれない。
失敗しても問題ない。
「だめだこりゃ、次行ってみよう」とドリフように仲間同士で笑えばよいのである。
周囲は、そのバカな挑戦を見て既に勇気づけられている。
土曜日夜8時に集合していた悪ガキたちのように。

 

(2020/10/6)