お役立ち

No.11 自分の脳を拡張しよう(越境学習のススメ)

2年前、スコットランドへ初めて旅をする機会を得た。
スコットランドと言えば、みなさんは何を思い浮かべるだろうか。
お酒好きならスコッチ(アイリッシュウィスキー)。
ラグビー好きならスコットランド代表チームの勇姿。
今の資本主義に違和を感じているなら『道徳感情論』を著したアダム・スミス(生誕地)。
古城オタクなら旧市街にそびえる要塞、エディンバラ城。
グルメなら名物ハギスかもしれない。

筆者が彼の地で最も驚いたのは、紙幣発行制度だった。
スコットランドには、紙幣発行権を有する銀行が4行もあった。
10ポンド紙幣が国内に4種類あるということだ。
中央銀行であるイングランド銀行の他、商業銀行であるスコットランド銀行、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド、クライズデール銀行でも紙幣の発行が認められていた。
日本で言えば、日本銀行の他、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の市中銀行もそれぞれの1万円札を発行しているということだ。
驚天動地とはこのことである。
通常、紙幣は国家(政府)から独立した中央銀行(日本なら「日本銀行」、アメリカなら「FRB」)のみが発行するという勝手な思い込みがあった。

越境して現場に行って初めて自分の固定観念に気づくことができた。
問題意識がなければ「問題」さえ気づくことはできない。
だから、自分の常識外の外部に出会う機会が必要なのだ。
今は新型コロナウィルスの影響でリアル(五感)で現地・現場・現物・現実を体感することはできない。
だからとって、越境学習を止めてはいない。
オンライン(二感)の世界だからこそ時空間やコストに縛られず越境しやすい面を探る契機である。

正解のない時代は、最終学歴よりも最新学習歴の方が重要となる。
だからこそ、常に自分の脳を拡張し、外部(他者)の価値観を素直に受容できる場がとても貴重なのである。
流行りの言葉では、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」ということになる。
D&Iという母胎からは、「イノベーション」という胎児がよく産まれる。

組合が意図的に越境学習の場を提供していく意味も、意義も大きい時代に突入している。

 

(2020/5/12)